大阪心斎橋にある占い館【占龍館】で
占い師をしております。真成です。
シリーズ:【過去の後悔、愚かな私、死の体感】賢者占人、真成の半生
私の占い師になる迄にあった、色んな過去の事を記載しようと思います。
前回までのお話しはこちらをお読みください。
46話 孤独③
そして今、ようやく語ることができる。
この重荷を解き放つことができる。
声にして伝えた瞬間、胸の奥に長年積もっていた重石がふっと軽くなるのを感じた。
十六年間閉ざされていた扉が、静かに開いたのだ。
孤独は、私にとって残酷な時間だった。
しかし同時に――私を強くした時間でもあった。
他の誰にも味わってほしくはない。
それでも私は、あの孤独があったからこそ今の自分があると感じている。
今もときおり、その感覚が蘇る。
自分という存在と、もうひとりの自分が向かい合う瞬間がある。
その静かな対話こそが、私の鍛錬の続きなのだ。
孤独に押し潰されるのではなく、孤独と共に立つ。
そうして私は、ようやく前へ歩き出すことができた。

つづく、、
